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2008年4月

「東京タワー」江國香織

東京タワー 東京タワー

著者:江國 香織
販売元:マガジンハウス
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オススメ度★★★★

前はよく江國香織の本を読んでた気もするけど大学に入ってからというもの、めっきり読まなくなった。で、リリーフランキーの東京タワーとどっちにしようか迷った挙句、たまには江國香織の本を読もうと思い手に取ってみた。

大学生の透と親友の耕二、二人は共に年上の女性との関係をもっていた。透は史詩と甘い恋愛をし、耕二は恋人がいながら喜美子との情熱的な肉体関係に溺れていた。まだ大学生の二人と家庭を持った女達の恋愛はどうなっていくのか。

この本、そういえばV6の岡田君と黒木瞳で映画化されてたね。恋はするものじゃなく、落ちるものだ、ってセリフはよく耳にしてましたわ。で、本を読んだ感想。うーーん・・・って感じ。あ、決してつまらなかったという意味ではなくて、やっぱりこの人たちがしていることは結局不倫なんだなって思った。

透はしきりに史詩との間にある埋めることのできない年の差、その年月に歯がゆさを覚える。この人は自分と出会う前、自分と同じ年の頃はどんな人だったのだろう、昔のあなたも知りたい、ってな感じで。みんな自分が出会ってなかった時代の相手を想い求める。たしかに恋人がどんなん過去を生きてきたのか知りたいという気持ちは俺にも多少はあるし、ない人のほうが少ないと思う。その時代のその人を見てみたかった、みたいなね。

二人が軽井沢に行く場面がある。この時、夫が早く来てしまったためになかば追い出されるように帰って行った透は後に、僕は捨てられた、と彼女に言っていた。その時史詩は、一緒に暮らしていなくても一緒に生きている、と言って透をなだめた。たしかに一緒に暮らしていなくても相手のことを想って生きることはできる。でも一緒に生きたいと言いつつも家庭を捨てようとまではしなかった史詩は、透との未来を信じることができなかったんじゃないのかなって思った。多分いつかは、そう遠くない未来に二人は別れるんだろうなって。そう考えると透も若かったし、でもかわいそうだなって思えてくるんだよね。

耕二は・・・とりあえず俺は耕二のようにはなれないわ、と思う。恋人がいるにもかかわらず喜美子との性欲に溺れた関係、透と史詩とはま逆の関係だ。ラストとかはなんかね~って終わり方だったし。なんか浅い愛情っていうのかな。耕二の部屋にある彼女の由利が置いていった「由利用」と書かれた紅茶を別の女に入れるたびに由利への愛情がどんどん薄れていくようで、なんか由利がめっちゃかわいそうに思えた。なんかかわいそうな人が沢山出てくるなこの本は^^;

ただ話としては透の方は落ち着いた雰囲気で進んで行くけど、耕二の方が複雑な女性関係とかで波乱万丈的で読んでて気になったし面白かったな。

まあこんな恋愛もあるんだろうな、という気持ちで読めばいいんじゃないかと思う。

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思うこと

なんとなく読書の感想だけ書いてようかとも思ったんだけど、もうちょっと日記っぽいのも書いてみて行こうかと思う今日この頃。

まあいつまでつつくかわからんが、適当に日々の出来事を書いたりしてみたいなって。

   

ちなみに先ほど家の前で車が事故ってまして。野次馬に行ったつもりがいつのまにか兄貴と一緒にガラスかたずけ足り、交通整備したり。。。

やさしさに・・・あふれてるね・・・・別に俺とは言わないが、まあ当たり前のことをしたまでですよ。。。

(笑)

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「太陽の塔」森見登美彦

太陽の塔 (新潮文庫) 太陽の塔 (新潮文庫)

著者:森見 登美彦
販売元:新潮社
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オススメ度★★★★★

なんか避けてたね。だって帯に「すべての失恋男たちに捧ぐ!」って・・・(笑)いや失恋した覚えはないんだけどね~最近に限れば。。。

舞台は京都。せっかくできた恋人にも振られ、自分の大学生活には華がないと思っている男とその仲間たち。クリスマスが刻々と近づいてくる季節に男たちは街を駆け巡る。

いやなんかね、妄想族のお話だね。俺は・・・まあ、妄想はしないよ。空想はするけれどもね♪

彼らは妄想の世界を冒険してます。「我々の日常の90%は頭の中で起こっている」とのこと。その言葉と通りに生活してる。妄想による日常をごく当たり前に、真剣に語る男たち。彼らは言う、世間は間違っているのだと。クリスマスなんかにうかれてんじゃねぇ!と。みなさん目を覚ましましょうと・・・まあお前らが目を覚ませよってね。

ああは成りたくないと思いつつ、でもどこか共感してるんだよな~。きっと自分にも彼らのように現実から目を背けたかったりする時ってあるんだなって思った。そう、たとえば失恋したときとかね。クリスマスに恋人がいなくて「男だけの方が楽しいんだって!!」って言ってるときとか(笑)てか多分誰にでもあるんだよね、そういう時って。

で、彼らはそんな時間が人より少し長いわけで。そんな登場人物はとても魅力的。研究と題したストーカーをしていたり、されてる側の女の子もちょっと不思議ちゃんだったり(誕生日のプレゼントに「人間臨終図巻」あげたりね)。

つまらない型にハマるのは嫌だと言いつつ、型にハマった幸せもいいなと呟く。たしかにそうだよね♪って思った。

結構笑えたし。ゴキブリキューブにはかなり笑ったね。アホか!!ってツッコミたくなるトコがたくさんある。いやーかなりシュールですよ(笑)ちょっとひねくれた文学ちっくな文体も面白くてサクサク読めた本です。

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「ランドマーク」吉田修一

ランドマーク (講談社文庫) ランドマーク (講談社文庫)

著者:吉田 修一
販売元:講談社
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オススメ度★★★★

吉田修一の本は閉鎖的っていうか日常の暗い所に焦点を当てて書いているような感じがする。壮大なオチがあるわけでもなく、物語に急激に変化することもない。ただ平面な感じの話が少しづつ角度をつけて曲がっていような、そんな本を書く人だなって思った。

ある意味それは自分たちの日常に似てるんだなって思う。いきなり日常に急激な変化が起こることもないけど(ある人もいるけどね)一日一日が少しづつゆっくりと変化していく。

物語の中心には大宮にそびえたつ超高層ビルがある。それは一階ごとにフロアがねじれていき巨大な螺旋のビルへと出来上がっていく。設計士の犬飼と鉄筋士の隼人。ふたりの生活もビルが出来ていくにつれて微妙にねじれていく。

なんか読んでてそんな変化はないのに読み終わった後にはなんか妙な気分になった。大きく変わってはいないけど、確実に変わっているって感じ。薄い本だから昼に読み始めて夕方には読み終わったけどそんな短い間にもなにかが確実に変化している。そういうトコを描いてるのかなと思ってみたり。

舞台が大宮なのに東北弁の会話が多く出てくるのも奇妙な気分にさせられる。なんかこっちが錯覚を起こしそうな。隼人は貞操帯つけてるんだけど、なんで貞操帯?って思ってたけどそれが一つの物事に変化を与えたり。

犬飼も隼人も本の中では直接接点はないんだけど、螺旋状のビルを通じて繋がっている。赤の他人でも何かで繋がっている。そんな人間関係の微妙な距離感とかの描き方は読んでてとてもうまいなって思った。

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「真夜中のマーチ」奥田英郎

真夜中のマーチ (集英社文庫) 真夜中のマーチ (集英社文庫)

著者:奥田 英朗
販売元:集英社
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オススメ度★★★★

この本は結構前に買って家に積んでたんだけど、その存在を忘れてた。この前、あーこの本買ってたわ~って思いだして多分買ってから1年くらいでやっと読んでみた。

パーティーの主催者をしているちょっとあやしい実業家のヨコケン。そのパーティーにやってきた三田物産の三田ことミタゾウ。その二人が手を組んで現金強奪をしようと試みるが謎の女クロチェに邪魔をされてしまう。そこで新たな計画を知ったヨコケンとミタゾウはクロチェと手を組んで10億円の強奪を目指していく。

まあ正直ヨコケンは普通にいたら間違いなく嫌いなタイプの人間だ。金で何でも解決できる、女もついてくる、でもって他の人間を見下すタイプ。ホント嫌い。でもそんな人間をこの本ではあまり嫌味な感じを出さずに描いているから読んでいてストレスにならない。むしろ所々笑わせてくれる。

そんなヨコケンとミタゾウ。三田物産の三田である彼はその名前から三田グループの御曹子と勘違いされ人から手厚くもてなされることもしばしば。ヨコケンは最初そんなミタゾウがただの平社員とも知らず金を巻き上げようとする。でヤクザなんかも出てきて脅すんだけど、結果的にはただの平社員ってわかった時のヨコケン達の反応はかなり笑えたね(笑)

そんな面白い二人が自然と行動を共にするようになる。そこに現れた謎の女クロチェ。3人が手を組んで10億円強奪作戦がスタートする。

そんな3人の中で見せる人間模様も面白い。ヨコゾウがクロチェに恋をしたり、それを軽くあしらってミタゾウにちょっかいを出すクロチェ。なんだかんだで絆が深まっていくところも読んでて面白かった。

てか10憶円もの大金の強奪作戦なのに結構計画性がないのには、こんなんで10憶も強奪できるの?とも思ったけど、冷静で集中力だけは凄いミタゾウのおかげでなんとかなっていちゃう。ま、そこもよかったけどね。

結構イッキに読めちゃう本だね。あんまり頭使わない本読みたい、って時にはもってこいだと思う。

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「少女には向かない職業」桜庭一樹

少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1) 少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)

著者:桜庭 一樹
販売元:東京創元社
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オススメ度★★★★★

桜庭一樹さんの本は今回が初めて。今年「私の男」で直木賞受賞したね。でもこの本のラベルにでかでかと、祝・直木賞受賞!!みたいに書いてあったから最初はてっきりこの本が直木賞受賞したのかと思ったわ^^:てか他の受賞者の本とか受賞作品でもないのにでっかく~賞受賞!!とかよく書いてあって前から紛らわしいと思ってたんだよね~。買うときはよく見なきゃね。

今回の本はあらすじからおも~い雰囲気漂わせてます。主人公、中学2年生の大西葵は人を二人殺した。でも魂は削られていくし、やっぱり少女は殺人には向かないな。あの夏、あの子との出会いが彼女を変えていく。

重いね。ま、わかってて読んだんだけど。本の中には彼女が笑う場面が多く出てくる。それは友達と冗談を言い合ったり、楽しかったり嬉しかったり、ごく普通の少女の笑顔だった。だから余計に話が悲しくて重いなっていく。普通に笑っているのに、その子の魂は擦り減っていく。読んでてこれがハッピーエンドならいいのにな~って、絶対そうじゃないのはわかってたけど、そんふうに思っていた。

まず主人公の大西葵が可哀想に思えた。家庭では居場所がなく学校での人間関係も思うようにうまくいかない。読んでて女の子の友情って怖いなって思った。人にもよるけど俺とかは彼女は彼女、友達は友達って感じで優先順位とかつけないけど、女の子は友達よりも彼氏だったり好きな男だったりするのかな?って。あとやっぱり親は子供をきちんと愛せなきゃダメだよ!もし不満があったとしても決して子供には言ってはいけないでしょ。それがどれだけ子供を傷つけるのか考えなきゃ。

バトルモード、ついカッとしたりキレそうになったりすることは自分にもある。それが一番敏感に、不器用に姿を現してくるのが思春期の時期なのかもしれない。でも、やはり彼女はただの中学生だったんだと思う。

もし彼女が自分の罪を誰かに告白していたら、きっと未来も変わっていたんだろう。なんかすごく可哀想な話だった。殺人に向いている人間なんていないんだよ。

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「廃墟の上でダンス」ミラーナ・テルローヴァ

廃墟の上でダンス―チェチェンの戦火を生き抜いた少女 廃墟の上でダンス―チェチェンの戦火を生き抜いた少女

著者:ミラーナ・テルローヴァ
販売元:ポプラ社
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こんな僕でも真面目な本だって読むんです。

今回はチェチェン共和国の戦争の歴史とそれによって苦痛の人生を生きてきた作者のノンフィクション。

で、この本。正直こんな悲惨なことが現実に起きていたなんて全く知らなかったし、この本を読んで自分の無知さを痛感した。

チェチェンはもともとはソ連の一部であったが1991年に独立を発表。その後の1994年にはロシア軍の武力侵攻を受け第一次チェチェン戦争が勃発。この戦争では8万人の死者が出たものの最終的にはロシア軍が撤退して終わりを迎える。

その後3年間は平和な月日が流れたが、1999年に再びロシア軍が武力侵攻を行い、第二次チェチェン戦争が起こる。この戦争ではロシア政府は完全にメディアを支配し自分たちに有利な情報しか外には流さなくなる。そのためチェチェン内部の姿が世界の人々からは見えなくなり、チェチェンの現状が不透明になる。これが戦争の長期化を引き起こし現在でもまだ続いている。

ふだん生活している中で、次の日になったら仲の良い友達が死んでしまっている、なんてことは夢にも見ないだろう。でも、それが現実となっている世界があるということにとても驚いた。正直今のそんな状況が続いているのが信じられない。日本人は平和ボケと言うけどこの本を読んでもっと世界の現状を知る努力をするべきだと思った。僕たちは知らなすぎる。遠い国で起きている出来事だから自分たちには関係ないではダメだ。一人一人がこのような現状を知り考えることがとても大切であると思う。

戦場の子供たちは日常生活や普通の喜び、悲しみを忘れてしまうのではなく、みな貪欲にあらゆる努力をして「普通の生活」を追い求めている。

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