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2008年5月

「チームバチスタの栄光」海堂 尊

チーム・バチスタの栄光 チーム・バチスタの栄光

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
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オススメ度★★★★★

チームバチスタって言ったら前はこの本よりもまずドラマの医龍を思い浮かべてしまったんだよね。この本が話題になったのと同じ時期に医龍2がドラマでやっててそっちをいてたから。あれもバチスタの話でミーハーにも坂口憲二がカッケー!!って思ってみてたからどっぷりつかっちゃって、この本もバチスタか~医龍と同じだなってそれだけの理由でだいぶほったらかしになってました。

東城大学医学部付属病院でその名をとどろかせていたチームバチスタの手術で3例続けての術中死が発生してしまう。そこで院長は原因究明のため通称グチ外来の田口医師に調査を依頼する。そこに厚生労働省からきた白鳥調査官も加わりチームバチスタを調べ上げていく。

この本、文庫にしたとたん何で上下に分けたんだろう、両方合わせて一冊くらいがちょうどいいと思うんだけど・・・とまあそんな話は置いといて。

インタビュー形式で関係者に一人づつ話を聞いていくところは一人一人の個性とかがよく出てて、あいつが怪しい、こいつは犯人じゃないとか好き勝手言ってるのが面白い。で、途中から調査に加わる白鳥も。

とにかく厚生労働省から来た白鳥がホント、ツボにハマってしまいました。ネチネチと嫌味ったらしいことを相手を小馬鹿にした感じで言ってくる。しかも本人は全く悪気がないからどうしようもない。この人、人をおちょくる才能はぴか一だ。だけど読んでて嫌じゃないんだよね~このキャラ。むしろそれがめっちゃ良くて、セリフの一つ一つに笑えた(笑)ていうか、こういってはなんだけどミステリー抜きでも面白かった。なんかこの人主人公にして本書いてくれないかな~って感じ。ちなみに映画では阿部寛が演じているんだけどまさにはまり役!読んでるときも阿部寛をイメージしながら読んでた。

チームバチスタの中心人物で名医である桐生恭一の裏側と義理の弟で病理医の鳴海涼との関係とか過去もストーリーを支えている。

犯人を探すってこと以外にも楽しめる要素があって純粋なミステリーではないけど十分楽しめた。

ちなみに田口医師は映画では竹内裕子が演じる女医だけど、原作では男です。

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「幸福な朝食」乃南アサ

幸福な朝食 (新潮文庫) 幸福な朝食 (新潮文庫)

著者:乃南 アサ
販売元:新潮社
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オススメ度★★★★★

朝食はほとんど食べない自分にとっては幸福な朝食とかって考えたこともない。でもやっぱり朝誰かがいて、朝食を食べるのは幸せなんだろうか。

女優のなる夢を持って上京してきた志穂子は自分とそっくりの顔を持つアイドル柳沢マリ子の存在によって夢を諦めてしまう。その後人形使いになった彼女は孤独な生活を送っていた。母親になりたい、誰かの温もりがほしい、寂しさは彼女を追い込んでいく。

志穂子は顔を出して自分を売る世界(役者とかタレントだね)と、顔を出さずに自分を売る世界(人形使いとか)の違いに失望している。自分もあんな風に周りから注目を浴びたい。いや、浴びるはずだったのに!って。それでも人形使いになって必死に芸能界にしがみついている、どうしてもその光を追い求めてしまう寂しい人だ。

そして女優とは別に主婦、母親への憧れが彼女をさらなる孤独に追い込んでいく。温もりを求めているのに家で待っているのは冷たい人形だけ。それでも人形に話しかけて寂しさを紛らわせている志穂子。もうなんか彼女の孤独がひしひしと伝わってたわ~。その孤独が膨らみ風船のように割れてしまった時、志穂子の心も壊れていってしまう。その様はもう読んでるこっちが凹むくらいです^^:正直読む前はこんな虚しい話だとは全然思ってなかったから余計にね。。。

女性の嫉妬と妬みが渦巻いてます。志穂子や本に出てくる他の女性も、親しくしていた人にさえすぐに嫉妬をしたり苛立ちを感じてしまう。でも自分が1番かわいいからって自分のことしか考えないときっと後で後悔するよって思った。

最後に志穂子は自分が失ってしまったものへの本当の後悔と悲しみを感じていたのだろう。その後のラストを読んで、もう虚しさMAXです。志穂子にもちゃんと未来があったんだ。待っててくれる人も。

ちなみにこの本、20年前くらいにドラマ化されていたらしいです。ただ、もし今見れるとしてjも、見たいとは思わない。きっと気持が落ち込んじゃうから。で、本を読み終わったばかりの今、結構気分が沈んでます(汗)

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「魔術はささやく」宮部みゆき

魔術はささやく (新潮文庫) 魔術はささやく (新潮文庫)

著者:宮部 みゆき
販売元:新潮社
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オススメ度★★★★★

魔「術」はささやくね。読み終わるまでずっと魔「女」はささやくってタイトルだと勘違いしていた(笑)あやうくタイトル間違えたまんま感想書くところだったわ^^:

マンションの屋上から飛び降りた加藤文恵、地下鉄に飛び込んだ三田敦子、タクシーの前に飛び出して轢かれた菅野祥子。一見別々のように見える三人の死にはある共通点があった。それに気づいた高木和子は次は自分かと恐怖にかられる。そして逮捕されたタクシー運転手の甥の守は彼の無実を証明するために事件の真相へと迫って行く。

感想は、面白かった!三人の死は何を意味しているのか、高木和子は一体なぜ怯えているのか、守の家族を救った男の正体は、と気になる謎がいっぱいだ。結構複雑な人間関係もサラッと読めてさすが宮部みゆきって感じ。

三人の女性を死に追いやったのは犯人を駆り立てたのは復讐心だ。物語の最後に明かされていく真実によって守自身も自らの中で復讐心が芽生えていく。「いっそのこと殺してしまおうか・・・」。彼の心の葛藤が物語の一番の山場だと思う。でも、どんな理由であっても、やはり殺人は殺人であって許されることではない。それがこの本のテーマだったのではないかと思う。

あとサブリミナル現象とかデート商法などの社会問題を取り入れることで物語に厚みが加わっているところもよかった。

宮部みゆきの本ってなんかとても読みやすい。初めて読む前は結構堅くて読みにくいのかなって思ってたんだけどね。今回の本も一日で読めました。今の自分の中ではミステリーといえばこの人と東野圭吾の2トップだね。好き嫌い別れる作者とかいるけど、そういうのは宮部みゆきはないと思う。誰が読んでも面白いと思える本、作家さんじゃないかな。

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「ぶらんこ乗り」いしいしんじ

ぶらんこ乗り (新潮文庫) ぶらんこ乗り (新潮文庫)

著者:いしい しんじ
販売元:新潮社
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オススメ度★★★★

昔近所の公園でぶらんこから落ちてケガをしてしまったことがある。ぶらんこってただ揺れてるだけなのに、なんか夢中になってしまうよね。

ぶらんこが上手な男の子がいた。しかし彼は事故で声がおかしくなる。彼は動物と話ができるといい、いろいろなお話を作った。いなくなった弟が残したノートには多くのお話と真実が書かれていた。

なんかしゅんとなる本だった。弟は事故で声がおかしくなってしまい、その声を聞き姉は吐き、犬は逃げて行った。そんな声を必死で出さないようにしている弟がとてもかわいそうだった。そんな彼が作るひらがなばかりのお話はなんか切なかったな。でも郵便配達のお話はすごくよくて好きだ。

ラストで弟が外国からの両親の手紙にちょっと手を加えていたところとか、弟が姉を想う気持ちがひしひしと伝わってきてとてもよかった。

毛が半分抜けた犬の伝言板も面白かった。犬の体に字を書いちゃうのってどうなの!って思ったけど、それが最後には遠く離れた外国からの伝言も持ってくるから大したものだ。

本当はすごく悲しい話なんだろうけど、悲しい話もいしいしんじはこちらの気分が重くならない書き方をする人だなって思う。この人の書く本は不思議な雰囲気がある。その雰囲気が結構好きだったりする。

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「グロテスク」桐野夏生

グロテスク〈上〉 (文春文庫)グロテスク〈下〉 (文春文庫)

グロテスク〈上、下〉 (文春文庫)

著者:桐野 夏生
販売元:文藝春秋
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オススメ度★★★★★

昔、夜の渋谷の街で女の人に声をかけられたことがある。深夜だったし友達とカラオケで朝まで過ごそうとしていた時だった。その時は怖さと気味悪さで小走りで逃げたのだった。おそらく声をかけてきた女の人は娼婦だったのだろう。あの人は今どうしてるんだろう。この本を読んでふと思い出した。

文庫本では上下巻に分かれているこの本は、主に4人の女と彼女達をとりまく男達を20年以上の月日にわたって描いている。恐ろしいほどの美貌を持ったユリコ、そして彼女の姉、天才的な学力を持つミツル、高校でいじめられていた和恵。娼婦をしていたユリコは殺され、その後同じく娼婦をしていた和恵も殺された。いったいなぜ二人は殺されたのか、そして残された者は何を思うのか。

これは東京電力のOL殺人事件という実話を元に書かれている。詳しくは知らないが、そのOLが昼は会社員で夜は娼婦をしていたということ。どうして彼女は娼婦をしていたのか、この本はその真意に迫って書かれているように感じた。

この話の序盤で特に目立つのはユリコの完璧なまでの美貌だ。姉は彼女に異常な恐怖を持ち怪物だと言い、和恵はその美貌に強くひかれストーカーまがいの行為をし、周囲の人間は驚きの目で彼女を見る。そして男達は彼女を欲する。そんなユリコは15歳にして自分が異常な性欲を持った人間だと知りいずれは娼婦へと続く道へと進んでいってしまう。その圧倒的な存在の前には誰もが小さくなってしまい、周りの人達をバラバラに引き裂いていく。

そんなユリコとは正反対の姉は自らの悪意を磨くことで高校から区役所でアルバイトの日々を送る中年女になるまで生き抜いてきた。そこには妹のユリコに対する大きな嫉妬が隠されていたのだろう。もし自分に手の届かないほどの完璧な兄弟がいたとしたら、嫉妬するだろうか。多分・・・多かれ少なかれしてしまうだろう。自分を比べてしまい、劣等感を感じ心に壁を作ってしまうかもしれない。ユリコの容姿は姉にとって圧倒的な嫉妬を生むほどの距離があったのだろう。ユリコが死んでも悲しまないほどだから相当だ。

彼女の恐ろしいまでの悪意、それは人を怪物に仕立て上げるが自分も怪物にしていってしまったのではないだろうか。彼女は否定するだろうが私はユリコもミツルも和恵も、そしてユリコの姉も怪物だと思う。でもラストは・・・それでいいの?って彼女に聞きたい。結局はそうなるのか、ってなんか残念だったな。

で、読んでて一番むなしいなって思ったのは和恵だ。高校の時からいじめられてた彼女は会社でも周りから見向きもされない。そんな彼女を壊していったのは、高校時代にユリコの姉に言われた「痩せると綺麗よ」の一言。人は誰かの忠告や説教だったり、言われたことすら忘れてしまってても無意識に意識してしまうことってあるのだろう。和恵が壊れていき周りから化け物のような目で見られていく様は読んでいて痛々しかった。

自分はもっと目立ちたい、ちやほやされたくて仕方ない。だから娼婦をやるんだ。私って娼婦なのよ、すごいでしょ?って。周りの人間に自分を見てほしくて仕方ない。安い金でも何でもする。相手はもう誰だっていい。でも、優しくしてほしい。なんかすごい寂しい人だ。

読んだあと、ため息が出た。人間の、濃いブラックな面を見た気がした。私は男だが、女の人が読んだらさらに大きなため息が出るだろうなと思う本だった。

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もしものお話

もしも明日、地球が滅びたら、

あなたはなにをしますか?

最後の一日です。

最後の晩餐ですか?

家族で最後まで一緒にいますか?

絶対に地球は滅びないとあがきますか?・・・・でもこれは反則です。だって滅びるって決めたから。

だからみなさん、明日、100%の確率で地球が滅びると決まった時、なにをしますか?

僕はもしその時、最愛の人がいたら、ペアの指輪を渡します。。。

来世でも一緒になろうね、と。

まあ地球が滅んだ後にはたして来世なんてあるのかは激しく疑問ですが。

微生物くらいなら生きてますかね?

でも微生物が来世ってのも・・・・

ここはやはり宇宙人でしょ。でもタコみたいな宇宙人だけは願い下げです。

なんてことを、今日考えていた、トシくんでした。

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「行かずに死ねるか!」石田ゆうすけ

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫 (い-30-1)) 行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫 (い-30-1))

著者:石田 ゆうすけ
販売元:幻冬舎
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うちの兄貴はメッセンジャーをやってて毎日街を自転車で走り回ってる。そんな兄貴に影響を受けて自分も一時期自転車で一日中走り回っていた時期があった。自転車ってなんか気持ちいいんだよね。風を受けて走って、目的地に着いた時の達成感とかその後に飲むコーラがめっちゃうまかったり♪で、兄貴はそのまま仕事にしちゃったけど兄貴が読んだら影響をもろに受けてしまうんじゃないかと思ってます。

じつに7年5ヶ月にわたる世界一周の自転車の旅。「世界一のものを探す」がテーマ。正直めちゃめちゃ面白かった(笑)カナダのユーコン川で一週間のカヌーの旅をしたり、アメリカのアリゾナ州にある、ナバホ・インディアンの聖地モニュメントバレー、メキシコのティカルの神殿、意外と小さかったマチュピチュなど、様々な国の自然や遺跡、またその旅の途中で出会う多くの仲間たちとの交流が読んでいてとても楽しかった。

読んでて楽しい気分にさせられるし、まるで自分もその旅にちょっと参加しているような幸せな気分にしてくれます♪そしていつか自分も・・・まあ自転車ではなくただの旅行で行ってみたいな~って思いながら読んでた。ホントに楽しそうに旅をしてるんだもん!なんか幸せそうだな~って感じ。多くの国を目にして多くに人との交流したことはきっとこの人の一生の財産になったであろう。

トルコでゲリラと間違えられて撃たれそうになったりいろいろ危険な目にもあっているけど、そこもまたスリリングで面白かった。

テーマである「世界で一番のものを探す」の世界で一番のものについては続編「いちばん危険なトイレといちばんの星空」に詳しく書かれています。ぜひ読んでみよう^^

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「ラスト・ワルツ」盛田隆二

ラスト・ワルツ (角川文庫) ラスト・ワルツ (角川文庫)

著者:盛田 隆二
販売元:角川書店
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オススメ度★★★★

盛田隆二の本は初めて読んだ。なんだろう・・・ドロドロっていうよりヌメヌメっていう感じの本。わかりにくいか^^:

18歳で東京に上京してきた12年前、「ぼく」は10歳年上の花菜子さんと出会った。彼女と彼女の息子の3人で少しの間だけ一緒に暮らした。そして12年後、「ぼく」は花菜子さんと再会する。他人のままつながりたい、そう言う彼女はクスリに溺れていた。「ぼく」は彼女のことを何とかしようとするが・・・

話し全体に昔の70年代の不思議な雰囲気が漂っていていた。で、気づいたんだけど主人公の男は本の中には一切名前を出してきてないんだよね。ずっと「ぼく」とか「きみ」「あなた」なのだ。だからかな、あと時代背景が古いってのもあると思うけど、なんかこの主人公に感情移入できなかった。あのころの時代を知っている人は感情移入しやすいかもしれないね。

12年ぶりに会った花菜子はクスリに溺れていた。男はクスリに溺れた花菜子を必死で何とかしようと思う。その一方で妻を裏切っていく彼の姿が読んでて痛いな~って思った。妻や子供を犠牲にしても花菜子を助けたい思いが強かったってことなんだろうね。これは12年前に彼女の首輪を最後まで外せなかったからかな。

でも、彼は最後にやっと大切なものに気付いたんじゃないかな。彼は最後、泣いてたんだろうって思う。

・・・あ、これってネタばれか!?(笑)

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「ナイフ」重松 清

ナイフ (新潮文庫) ナイフ (新潮文庫)

著者:重松 清
販売元:新潮社
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オススメ度★★★★★★

読んでいて久々に胸をギューって掴まれるような感覚になった。5つの短編が入ったこの本は結構濃い内容だった。

「ワニとハブとひょうたん池で」ある日突然、学校でハブられたミキ。でも親や先生にあれこれ心配されたくない。ミキはこれはゲームなんだと思うことで自分を保とうとする。

中学生とかって難しい年ごろ。昨日まで仲良かったのにある日突然いじめられたり、そういうのが今は昔よりひどくなってると思う。なんか群れなきゃ生きていけないの?って感じた。いじめをしてまで仲間がほしいのかって。でもそんなんで出来た友達なんて友達とは呼べないと思う。ミキの幼馴染のホナミも一緒にいじめに加わるんだけど心ではかわいそうだと思ってる。なら少しの勇気を出して真正面からいじめを止めればいいのに。

こんなのただのキレイ事かな?でももし自分がそうしていたとしても、後で絶対後悔はしないと思う。

「ナイフ」息子がいじめられている。父親は母親の心配をよそに、いじめに気付いていながらも余計な口出しはしない。弱い父親だと自分を責めながらも何もできない。そんな彼はナイフを手にする。お守りのように願う。弱い自分を奮い立たせるように。

一緒にいて守ってやる。その言葉に息子は涙する。家族の間で気持ちを伝えることがいかに大切か、不器用でもいい、伝えなきゃって思った。息子と向き合おうとする父親の姿は読んでいて辛かったけど、これが父親というものなんだろうね。

「キャッチボール日和」野球が好きな父親は息子にスター選手と同じ大輔という名前を付ける。しかし大輔は弱く引っ込み思案で父親の期待にこたえることができない。負けちゃいけないんだ、と大輔にいじめに立ち向かわせる。

父親は大輔に強く生きることを求めている。でも不器用で弱い子供はたくさんいるんだ。だから親はその弱いところも愛してあげなきゃダメなんだろうなと思う。

いいじゃん、負けこしのヒーローだって。まさにその通り。

「エビスくん」大阪の小学校にある日、体のおっきな転校生がやってきた。彼の名はエビス。彼と仲良くしてやるように先生に言われた相原くんだが、エビスくんにいじめられるようになる。そんな相原くんは病気の妹にエビスくんを連れてくると約束するのだが・・・

正直こんないじめっ子っているのかな~って思った。だったらいじめなきゃいいじゃん!って感じだけど、友情なのかわからない奇妙な関係だ。きっとエビスくんは友達がほしかったんだじゃないのだろうか。でもすごく不器用でどうやって仲良くなればいいのかわからなかったんじゃないかと。二人の間にはたしかに絆が生まれていた。読んでて爽やかだったな。

「ビタースィート・ホーム」妻に仕事を辞めさせた夫。専業主婦になった妻は娘の学校の先生の指導方針が気にくわず抗議する。そんな妻を見て、母親が家にいるのが普通の家庭だと思っていた夫は本当に仕事を辞めさせてよかったのかと悩む。

まず普通の家庭って何?世の中には共働きで子供も育てている家庭はたくさんある。それは普通の家庭じゃないとは思えない。家庭のことをするのがよぶんな物って考えが嫌だなって感じた。男だって子供の面倒も家事もするべきだと思うし、女だって働いてたっていいじゃん。夫婦二人で協力し合って家庭を支えていくことが重要なんじゃないかな。自分の人生で手放してしまったものへの寂しさはあるだろうけど、今を大切に生きなきゃって思った。

どの話も読んでて辛かったり痛々しかったりしたけど、読んでよかったって思える本だった。

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「笑う招き猫」山本幸久

笑う招き猫 (集英社文庫) 笑う招き猫 (集英社文庫)

著者:山本 幸久
販売元:集英社
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オススメ度★★★★★★

女性コンビのお笑い芸人といったら、はねるのとびらの北陽がまず思い浮かぶ。背もアブちゃんが高くて伊藤ちゃんが小さいってなんかこの本の二人と似てるかも。考えてみたら女性の二人組の芸人ってすごく少ないね。

駆け出しの漫才コンビの「アカコとヒトミ」。初のライブは散々で、おまけにセクハラ芸人を殴ってしまう。それでも笑いをとるために必死で頑張る二人にはこの先どんな展開が待っているのか!

とりあえず面白かった!!読みやすいし、シンプルでわかりやすいし。出てくるキャラクターも個性的でよかったな~♪

まるで小学生のようにいつもリュックサックを背負っているアカコ。とてもかわいらしいキャラで純粋な上に少し天然。こういうキャラ好きだわ。そこにいるだけで場が明るくなるような女の子。事務所の社長にはズバズバ言うし、マネージャーはデブ呼ばわり。でもそんな無邪気で子供っぽいところがとても愛らしい。この本のマスコットだ。

で、そのマスコットの隣に立ってる背の高いお姉さん。子供度MAXのアカコとは対照的に冷静で一応はしっかりしているヒトミ。身長180センチで自転車を電車代りにして走り回る。勇ましいね。でも自転車で移動するのって以外に楽しかったりする(ヒトミはお金がないだけか^^;)。自分も昔5つ先の駅にある塾に毎日自転車で通ってた。乗れば乗るほど早く着けるようになるんだよね。自転車でどこにでも行ってしまうタフな女。この人はメッセンジャーになれるよ。

そんな二人が漫才で笑いをとるために頑張っていくところは笑いあり、つい応援したくなってしまうところありで読んでいくうちにとても愛着が湧いてきた。

キンキラって芸人のライブにゲストで出た時のアカコんの「今日の客、いただくからね!」ってセリフには痺れたわ~。かっこいい!アカコ姉さん!って感じ。まあ本を通してアカコを姉さんて思えたのはここだけだけど(笑)いや~アカコのキャラほんとに好きだわ。友達だったら間違いなく楽しいよ。

で、彼女たちだけではなく他にも濃ゆいキャラが。シラヌキジュンは日焼けした肌、筋肉質で一年中タンクトップ。それでもってコテッコテのオネエ言葉使われたら面白くないわけがない!自称、美の追求者。まるでIKKOさんじゃないか!(笑)彼のキャラ最高♪

ま、元アイドルのユキユメノはあまり好きじゃないが・・・

ヒトミはアカコとネタ合わせしている時が一番幸せだという。なんかいいなって思った。やりたいことやってるな~って。自分もたとえ職につこうが仕事以外の時間で精いっぱいやりたいことをやって生きていきたいって思ってるから彼女たちが眩しく見える。

漫才が好きで好きでしょうがない二人。読んでて心が温まる、ちょっぴり涙ぐましいところもあって、久々に読んでて登場人物を心から好きになれた。輝いてるね。

「愛受け取るよりも、笑いでウケ取る」まさにその通りの彼女たち。

読んでて思った。自分の道は自分で決める。人になんて流されないで。

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