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2009年1月

「センセイの鞄」川上弘美

センセイの鞄 (文春文庫) センセイの鞄 (文春文庫)

著者:川上 弘美
販売元:文藝春秋
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オススメ度★★★★☆

居酒屋で偶然にも再会したかつての高校の先生とその生徒ツキコ。二人で酒を飲み語り合う時間がゆっくりと流れる。キノコ狩りに行ったり、お花見、そして二人だけの旅行。それぞれの心の中でお互いの存在を少しづつ成長させながら。。。そんな日々を描いた谷崎純一朗受賞作品。

川上弘美の作品は初めて読む。名作(と評判の)「博士の愛した数式」も持ってはいるのだが、後に買った本書を読むのが先になってしまった。。。

基本的には居酒屋を中心として話は進んでいく。酒を飲みながらの二人の何気ないやり取りがほのぼのとしたいい雰囲気を醸し出している。ツキコの先生を呼ぶ時の「センセイ」というセリフが、親しみを含んだ暖かいものとしてこちらの気持ちを和ませてくれる。

連絡を取り合うわけでもなく自然と出会い、酒を飲む。なんて自由な束縛のない関係なのだろうか。きっと昔は皆こうだったのだろう。

時間をかけながら徐々に二人はかけがえのない存在となっていく。ツキコがたまに見せるセンセイへの思いが、まるで子供が親に一人にしないでと泣いているようで彼女の寂しさが伝わってくる。年の差もあるし、最初、読んでいるときは親子みたいだなって思ったけど、二人は表に出すまいとしながらも男と女として惹かれあっていく。ゆっくりとした暖かいラブストーリーだ。

ずっと一定のリズムで描かれる二人の世界は、とても和やかだ。特別な出来事があるわけでもなく、波瀾を迎えるわけでもない。それでも二人の物語は続いていく。ラストもゆったりとした、それでいて涙が自然と出てきてしまうような終わり方だった。いい本です。。。

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「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

著者:森見 登美彦
販売元:角川グループパブリッシング
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オススメ度★★★★☆

ついに文庫化!単行本の時からずっと気になってたんだよね、この本。森見登美彦の本はこれが二冊目です。

クラブの後輩である「黒髪の乙女」に恋心を寄せる「先輩」。彼女の行く先々に出没し、偶然を装ってお近づきになろうとするのだが、なかなかうまくいかない。そんな二人を待ち受ける珍事件と個性的な人たち。いったい二人はどうなるのか。

見事な恋愛ファンタジーだね。とにかく登場人物が個性豊か過ぎ。自称天狗の樋口くん、大酒のみの羽貫さんや願いがかなうまでパンツを変えないパンツ総番長、まか不思議な三階建ての電車に住む李白などなど。そして「黒髪の乙女」の後ろ姿の世界的権威である、と自称している「先輩」。世界的権威って!(笑)言い方変えたらストーカーなのだが。。。

乙女のために体を張る「先輩」の頑張りには頭が下がるような、下がらないような。時には激辛鍋に耐え、時には学園祭の演劇の主役をかっぱらう。でも、なかなか最後のひと押しが出来ない。「ただ通りかかっただけだから」とクールに決めてしまう彼。嫌いになれるわけがないわ!!

「黒髪の乙女」さんも素直なとにかくいい子。というか天然!?面白いをオモチロイと言ってしまうところとかとてもかわいらしかったし、鯉を背負って片手にダルマ、首からはダルマの首飾り、でちょこんと立ってたらそらかわいいよ!

特に第三章の学園祭が一番面白かったな。普通じゃ考えられない出し物の連続で!(まあファンタジーだからね)。ゾウのお尻の模型を作ってたり、パン派かごはん派かに分かれて議論しておまけにデモ後進しちゃったり、神出鬼没なコタツにゲリラ公演を繰り返す劇団。そこに学園祭事務局が絡んできて、はっちゃかめっちゃかな学園祭が繰り広げられていく。そんな中を「黒髪の乙女」と「先輩」がどんどん予期せぬ方向に流されていくのがリズム良く描かれていてすごくよかった。

「黒髪の乙女」と「先輩」が交互に語っていくように書かれているところや、話の展開もバランスよくて読みやすい。よくこれだけ個性的な面々をまとめ上げたな~。いやー面白い!

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