カテゴリー「 東野圭吾」の記事

「さまよう刃」東野圭吾

さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6) さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6)

著者:東野 圭吾
販売元:角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで詳細を確認する

オススメ度★★★★☆

読もう読もうとは思っていたものの、ハードカバーに手が出ずにぐずぐずしてたらいつの間にかに文庫化されててグッドタイミングじゃん!って思いつつ早速読んでみた。

長峰重樹は一人娘を陵辱されたあげく殺されてしまった。謎の密告者の電話により未成年である犯人達を知った長峰は、その犯人の家に侵入する。そこで見た地獄のような惨劇に我を失った長峰は犯人の一人を殺害してしまう。さらにもう一人の犯人を殺そうとする長峰を警察が追う。復讐に自分の人生をささげた長峰ははたして自らの手で犯人に裁きを下すのか。

いやーなんか痛々しいほどストレートに描写される感情には読んでて辛い気分になった。未成年である犯人はたとえ逮捕されたとしても少年法によって大した罪には問われず、そこに被害者やその家族の無念の思いは反映されない。だからって復習がいいわけでもなく、長峰自身も彼を追う警察も何が正しいのかという葛藤にさいなまれる。

長峰を追う警察の人たちの、これでほんとにいいのか?っていう気持ち、彼を追いながらもどこかで復讐が達成されればいいと思ってしまうのはやはり人間なら仕方ないことなんだろう。ただ法律は彼を許してはくれない。何が正しくて、なにが悪なのか、考えさせられる。娘を殺された揚句、復讐によって自分も殺人犯になってしまうなんて悲しすぎる。刃に正義はないのかもしれない。

分厚い感じの本だけど結構サクサク読めるし、それだけ話に入り込んでしまう。やっぱ東野圭吾の本は好きだわって改めて感じた。

にほんブログ村 本ブログへ←よかったら押して下さい^^

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「鳥人計画」東野圭吾

鳥人計画 (角川文庫) 鳥人計画 (角川文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

オススメ度★★★★

久々に東野圭吾。この人の昔の作品もこれからもっと読んで行こうかなと思い、その第一弾として本作を選んでみた。

天才ジャンパーと騒がれていた楡井が毒殺された。警察が捜査していく中で何者かが密告状を送ってくる。そして犯人として逮捕されたのはコーチの峰岸だった。自分の計画は完璧だったと考えていた峰岸は自分を密告した人物を推理する。誰が峰岸を密告し、また峰岸はなぜ自分のチームの選手を殺したのか。

あらすじを読んでもわかるけど、このミステリー犯人が話の序盤で捕まってしまう。犯人を探すのではなく、誰が犯人を密告したのかということと殺人の動機を中心に話が進んでいく。

こういう構成のミステリーはあまり読んでないのでなかなか新鮮だった。また楡井の死と同時期にジャンパーとして急成長を遂げた杉江翔の関係が気になるところ。楡井と杉江翔はどのように関わっていたのかというところから新たな真実が現われてくる。それがどのように犯人の殺人の動機に繋がっていくのかも読み応えがあって面白かった。

このまま終わるのかと思わせておいて最後にさらなる展開を見せるあたりはさすがだと思う。

話にはジャンパーの能力を上げるための異常なトレーニングが描かれているが、読んでいて思ったのはこれは選手の能力を上げることばかりを考え、記録にこだわるスポーツ界への警告のかもしれないと思った。科学とともにトレーニングも進化しどの競技も毎年のように世界新記録とかが生まれている。見てる方は楽しいし何の疑問もなかったが、そこには選手の個性が失われつつあるのかもしれない。

にほんブログ村 本ブログへ←よかったら押して下さい^^

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「容疑者Xの献身」東野圭吾

容疑者Xの献身 容疑者Xの献身

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

おすすめ度★★★★★★

いやあ面白かった!やっぱミステリーは東野圭吾だわって!なんかテンション上がってるけど・・・笑。でもそんな作品です。

天才数学者であり、さえない高校教師をしている石神はある日隣室に住む花岡靖子が別れた夫を殺してしまったことに気づく。警察を欺き、彼女を守るため石神は様々な策略を練り、完全犯罪を目論む。運命を感じさせるほどの深い愛情に出会った男の命がけの純愛ミステリー。

ちなみに「献身」とは「自分の身を捧げて、ある物事や人に尽くすこと」だそう。読んだあとに意味を知ったけど・・・ホントまさにこの天才数学者は彼女のために献身している。

物語には、石神の大学時代の同窓生でありライバルの天才物理学者である湯川学が登場する。警察に協力し、石神の策略とそれを見破ろうとする湯川学の攻防戦が緊張感をもって描かれており、とても面白かった。特に自分は石神を応援しちゃってたので、湯川学が確信に近づくたびに「あーくそー石神頑張れ!」なんて思ってしまっていたけれど、笑。だが、湯川学こそが石神の一番の理解者でもあった。石神を一人の人間として接する姿にヒューマンドラマの要素もあった。

石神が彼女を守るために犯した本当の真実が明らかになったときは「あーやられた!」って感じ!そして、その真実の根元にあるとてつもなく大きな愛情に感動させられた。そこまでして人を愛することが出来るのか!と、ラストは驚きと共に涙を流してしまった。まさにこれ以上ない「献身」でした。

素晴らしい作品だと思います。また、直木賞に選ばれたのも納得といった感じの作品。ただのミステリーではありません。

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

「白夜行」東野圭吾

白夜行 白夜行

著者:東野 圭吾
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

おすすめ度★★★★★★

古本屋の100円コーナーにあったものを何気なく買った本書。自分の生活に読書というものを入り込ませるきっかけとなった思い出の一作。

1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は西本文代という女性に絞られたが、なぞの死を遂げ、結局、事件は迷宮入りしてしまう。被害者の息子である桐原亮司と、容疑者の娘の西本雪穂、残されたこの二人の子供は全く別々の道を歩んで行く。しかし月日が流れ、別々の道を歩んでいたと思われた二人は・・・

と、こんな感じの話から始まる本書は東野圭吾の代表作だろう。以前テレビドラマでも放送されていたが、本は本当に面白い!!

始めはその本の分量に圧倒されてしまうが、読み始めるとどんどん白夜行の世界に入り込んでいってしまう。

本書の中では亮司と雪穂が接触するシーンはほとんど描かれていない。しかし、なにげない文章の一部やセリフから二人の接点を連想することができる。それにより、白夜行のある意味神秘的な雰囲気がかもし出されている。(その分ドラマはそこが描かれていて、また違った仕上がりにはなっている・・)

また、この作品には主人公の亮司、雪穂のどちらにも心理的な描写がないのだ。その分読者は二人の心理を想像させられることになる。これよって、さらに白夜行の世界にのめり込んでいってしまう・・・なんか凄い!!って思った!!

読んだ人は、亮司と雪穂の二人う好きにはなれない人もいると思う(まあ、あれだけ犯罪を重ねてはね・・・)。この二人の間にある世界を理解するのは難しいかもしれない。ただ、それでも自分はそんな彼らのことは憎めないで見守ってしまう。そう考えると、この本はミステリーであり犯罪的なラブストーリーなのだろう。読み終わったあとの切なく、やりきれない気分は今でも忘れられない。

なんだかんだいっても、この本は衝撃的な作品でした。ホントお勧めです!!

にほんブログ村 本ブログへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)