カテゴリー「 吉田修一」の記事

「ランドマーク」吉田修一

ランドマーク (講談社文庫) ランドマーク (講談社文庫)

著者:吉田 修一
販売元:講談社
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オススメ度★★★★

吉田修一の本は閉鎖的っていうか日常の暗い所に焦点を当てて書いているような感じがする。壮大なオチがあるわけでもなく、物語に急激に変化することもない。ただ平面な感じの話が少しづつ角度をつけて曲がっていような、そんな本を書く人だなって思った。

ある意味それは自分たちの日常に似てるんだなって思う。いきなり日常に急激な変化が起こることもないけど(ある人もいるけどね)一日一日が少しづつゆっくりと変化していく。

物語の中心には大宮にそびえたつ超高層ビルがある。それは一階ごとにフロアがねじれていき巨大な螺旋のビルへと出来上がっていく。設計士の犬飼と鉄筋士の隼人。ふたりの生活もビルが出来ていくにつれて微妙にねじれていく。

なんか読んでてそんな変化はないのに読み終わった後にはなんか妙な気分になった。大きく変わってはいないけど、確実に変わっているって感じ。薄い本だから昼に読み始めて夕方には読み終わったけどそんな短い間にもなにかが確実に変化している。そういうトコを描いてるのかなと思ってみたり。

舞台が大宮なのに東北弁の会話が多く出てくるのも奇妙な気分にさせられる。なんかこっちが錯覚を起こしそうな。隼人は貞操帯つけてるんだけど、なんで貞操帯?って思ってたけどそれが一つの物事に変化を与えたり。

犬飼も隼人も本の中では直接接点はないんだけど、螺旋状のビルを通じて繋がっている。赤の他人でも何かで繋がっている。そんな人間関係の微妙な距離感とかの描き方は読んでてとてもうまいなって思った。

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「7月24日通り」吉田修一

7月24日通り (新潮文庫 よ 27-3) 7月24日通り (新潮文庫 よ 27-3)

著者:吉田 修一
販売元:新潮社
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おすすめ度★★★★

地味であまり目立たないOLの本田小百合は、港が見える自分の町をポルトガルのリスボンに見立てて日々を暮らしていた。ある日開かれた高校の同窓会で昔の片思いであった聡史と再開する。日本のリスボンを舞台に小百合の小さな恋の冒険が始まる・・・

始めのほうは、自分の町をリスボンに見立てるなんてハッピーな人だなぁと思って読んでた。ただ、途中まで小百合のことをあまり好きにはなれなかった。なんか自分の望む世界を他人に背負わせて、託してしまうような感じが。例えば、親が子供の意思を無視して自分の夢を勝手に押し付けてしまうような。

本分に出てくる詩で「わたしたちはどんなことでも想像できる。なにも知らないことについては」というのが出てくるけど、そのまま小百合のことを言い表しているなって思った。でも物語が進むうち想像するのは止め現実に向かって歩き出す。

ちょっと頑張って背伸びをするだけで、一歩踏み出すだけで世界は変るのかもって思った。そして話を通して小百合が成長していく姿が描かれていて面白かった。なんか、頑張れって応援したくなる。一歩踏み出すって大切な事なんだな~ってしみじみと。。。

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