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「幸福な朝食」乃南アサ

幸福な朝食 (新潮文庫) 幸福な朝食 (新潮文庫)

著者:乃南 アサ
販売元:新潮社
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オススメ度★★★★★

朝食はほとんど食べない自分にとっては幸福な朝食とかって考えたこともない。でもやっぱり朝誰かがいて、朝食を食べるのは幸せなんだろうか。

女優のなる夢を持って上京してきた志穂子は自分とそっくりの顔を持つアイドル柳沢マリ子の存在によって夢を諦めてしまう。その後人形使いになった彼女は孤独な生活を送っていた。母親になりたい、誰かの温もりがほしい、寂しさは彼女を追い込んでいく。

志穂子は顔を出して自分を売る世界(役者とかタレントだね)と、顔を出さずに自分を売る世界(人形使いとか)の違いに失望している。自分もあんな風に周りから注目を浴びたい。いや、浴びるはずだったのに!って。それでも人形使いになって必死に芸能界にしがみついている、どうしてもその光を追い求めてしまう寂しい人だ。

そして女優とは別に主婦、母親への憧れが彼女をさらなる孤独に追い込んでいく。温もりを求めているのに家で待っているのは冷たい人形だけ。それでも人形に話しかけて寂しさを紛らわせている志穂子。もうなんか彼女の孤独がひしひしと伝わってたわ~。その孤独が膨らみ風船のように割れてしまった時、志穂子の心も壊れていってしまう。その様はもう読んでるこっちが凹むくらいです^^:正直読む前はこんな虚しい話だとは全然思ってなかったから余計にね。。。

女性の嫉妬と妬みが渦巻いてます。志穂子や本に出てくる他の女性も、親しくしていた人にさえすぐに嫉妬をしたり苛立ちを感じてしまう。でも自分が1番かわいいからって自分のことしか考えないときっと後で後悔するよって思った。

最後に志穂子は自分が失ってしまったものへの本当の後悔と悲しみを感じていたのだろう。その後のラストを読んで、もう虚しさMAXです。志穂子にもちゃんと未来があったんだ。待っててくれる人も。

ちなみにこの本、20年前くらいにドラマ化されていたらしいです。ただ、もし今見れるとしてjも、見たいとは思わない。きっと気持が落ち込んじゃうから。で、本を読み終わったばかりの今、結構気分が沈んでます(汗)

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